代数式のうち、分数式でない有理式(有理整式)をいう。すなわち、数と定数を表す文字(係数という)および特定の文字(不定元(ふていげん)または変数という)の間に四則演算(ただし不定元による除法を除く)を有限回施して得られる式を、これら不定元についての整式(有理整式)という。不定元の個数を整式の元の数といい、不定元について乗法だけを施して得られる式を単項式、有限個の単項式(定数を含む)の代数和を多項式という。したがって整式は単項式か多項式かのいずれかであり、整式における単項式をその整式の項という。項の係数の符号が正か負かに従って、その項を正項あるいは負項という。整式に含まれる各単項式の不定元の次数の最大のものをその整式の次数、n次の整式をn次式ともいい、どの項も不定元についての次数が等しい整式を同次式という。不定元を含まない項を定数項または絶対項といい、不定元について同じ形の項を同類項という。
たとえばxの整式x3+ax2+bx+cは一元三次式で定数項はcである。x、yについての整式3x3y2-4x3y2+2x2y4+y2は二元六次式で、初めの2項は同類項、第1、第3、第4項は正項で第2項は負項である。xの二次式
ax2+bx+c
はxの二次3項式ともいわれる。xのn次式は同類項をまとめて次のように書き表される。
a0xn+a1xn-1+……+an-1x+an
または
b0+b1x+……+bn-1xn-1+bnxn
となる。これらはそれぞれ降べきおよび昇べきの順に書かれているといわれる。
[竹内芳男]
一元整式について述べる。
f(x)=a0xm+a1xm-1+……+am,
g(x)=b0xn+b1xn-1+……+bn
(m≧n)
に対して
f(x)±g(x)=a0xm+……
+(am-n±b0)xn
+(am-n+1±b1)xn-1+……
+(am±bn)
と定義される。たとえば
(3x3-2x2+1)+(4x2+x+2)
=3x3+(-2+4)x2+(0+1)x+(1+2)
=3x3+2x2+x+3
となる。
乗法は前記のf(x),g(x)に対して次のように定義される。
f(x)g(x)=a0b0xm+n
+(a0b1+a1b0)xm+n-1
+(a0b2+a1b1+a2b0)xm+n-2+
……+(ambn-1+am-1bn)x+ambn
任意の整式f(x),g(x)に対し恒等式
f(x)=g(x)q(x)+r(x)
が成り立つような二つの整式q(x)とr(x)が一意的に存在する。ただしr(x) の次数はg(x)の次数より小さいものとする。q(x)とr(x)はそれぞれf(x)をg(x)で割ったときの整商および余りとよばれる。とくにr(x)がゼロ(係数がすべてゼロ)のときf(x)はg(x)で割り切れる(整除される)という。整式を論ずる際、一般には係数が属する数範囲を決めておく。たとえば整数域、有理数域あるいは実数域などである。
[竹内芳男]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…x10x20……xn0は1と考える。有限個の単項式の和の形のものをx1,……,xn(またはn変数)の多項式,あるいは整式という。係数が0である項はあってもなくても同じとみなす。…
※「整式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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