ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「公立学校礼拝問題」の意味・わかりやすい解説 公立学校礼拝問題こうりつがっこうれいはいもんだい アメリカの公立学校における信教の自由をめぐる問題。非キリスト教徒移民と,その子孫が増大している今日,公立学校でキリスト教の礼拝を強制することは,憲法修正第1条の信教の自由に反することになるとして,1962年,連邦最高裁判所は公立学校での礼拝を違憲とする判決を下した。しかし歴史的に宗教が社会生活上,非常に重要な役割を果たしてきたアメリカ社会において,この問題は一筋縄で片付くものではなかった。その後,キリスト教を問わずいかなる宗教への信仰を持つことを最大公約数とする「市民宗教」という観点から,24州で宗派を特定しない黙想,自発的祈りを定めた法律が制定されていた。最高裁はこれに対し,85年「政教分離の原則に反する」として6対3で違憲判決を下した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by