礼拝(読み)ライハイ

デジタル大辞泉 「礼拝」の意味・読み・例文・類語

らい‐はい【礼拝】

[名](スル)神仏を敬って拝むこと。特に仏教で、仏・菩薩ぼさつ合掌低頭して敬意を表すこと。→れいはい(礼拝)
[類語]奉拝跪拝遥拝再拝拝礼勤めお勤め勤行ごんぎょう看経かんきん読経どきょう

れい‐はい【礼拝】

[名](スル)
神仏などを拝むこと。
キリスト教で、神の賛美祈祷きとう教会での礼拝はこれとともに聖餐せいさん説教中心となる。
[補説]仏教では「らいはい」という。→らいはい(礼拝)
[類語]跪拝奉拝遥拝再拝拝礼

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「礼拝」の意味・読み・例文・類語

らい‐はい【礼拝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「らい」は「礼」の呉音 ) 礼しておがむこと。特に、仏教では、合掌したり、ひざまずいたり、五体投地したりするなど、種々の礼法がある。れいはい
    1. [初出の実例]「巷无居人。争来礼拝」(出典:続日本紀‐天平二〇年(749)二月丁酉)
    2. 「一切衆生身中に仏性ありと信じて、礼拝(ライハイ)して讚歎せしかば」(出典:真如観(鎌倉初))

れい‐はい【礼拝】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神仏などを拝むこと。らいはい。〔文明本節用集(室町中)〕 〔漢武故事〕
  3. キリスト教で、人間が神に崇敬の念を表わす行為。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「礼拝」の意味・わかりやすい解説

礼拝 (れいはい)
worship
cult

一般に,信仰対象や人格対象に対して信順・帰依・感謝の気持をあらわす行為。仏教では〈らいはい〉と読むことが多い。普通,低頭,合掌,拍手,祈り読経(どきよう)などをともなう。公的な場において儀礼的,形式的に行われることもあれば(公的礼拝),単独に個人の信仰の深みから行われることもある(私的礼拝)。このように礼拝は,崇拝が純粋に宗教的であるのに対して,聖と俗の両面にかかわっているところに特徴がみられる。あるいは礼拝は,神崇拝や仏崇拝に含まれる一つの儀礼行為とみなすこともできる。礼拝のなかでもっとも厳格なものは,全身を大地に投げだして行う五体投地の礼法である。これは仏教圏においてだけでなく,カトリック・キリスト教やイスラムにおいてもみられる。

 礼拝は宗教儀礼の一環として重視される場合(ミサ法会(ほうえ))と,宗教情操や道徳的情緒を高揚させるために行われる場合(説教や法話)があり,またその象徴的な身体行為として,十字を切る場合(キリスト教)や合掌をする場合(仏教)などの区別がみられる。
執筆者:


礼拝 (らいはい)

礼拝(れいはい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「礼拝」の意味・わかりやすい解説

礼拝
らいはい

神仏などの信仰対象を拝むこと,またその様式,儀式をいう。 (1) 仏教ではサンスクリット語の namas-kāra (那謨悉羯羅と音写) の訳として用いられる。身体で恭敬の意を表現すること。一,三,九拝などがあり,『大唐西域記』巻第2には,発言慰問,俯首示敬,挙手高揖,合掌平拱,屈膝,長跪,手膝踞地,五輪倶屈,五体投地の9種の様式が数えられている。 (2) キリスト教では「れいはい」といい,万物の創造主である神への絶対的依存と帰依を表明する行為をいい,ただ神にのみ捧げられ,聖者などへの崇敬とは厳密に区別されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「礼拝」の意味・わかりやすい解説

礼拝【れいはい】

神仏などの信仰・崇拝対象を拝む行為およびその様式・儀式をいい,英語ではworshipないしcult。一般に神霊の怒りを免れ,恩寵(おんちょう)を祈願し,また感謝の意を表すのが目的。合掌,低頭,跪坐(きざ)などの様式があり,祈祷(きとう),供犠,誦唱(じゅしょう),賛歌などの儀式を伴う。仏教では〈らいはい〉と読み,法要などで仏を拝む行為およびその様式の意。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「礼拝」の読み・字形・画数・意味

【礼拝】れいはい

拝礼。

字通「礼」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「礼拝」の意味・わかりやすい解説

礼拝
れいはい

祈り

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の礼拝の言及

【礼拝】より

…普通,低頭,合掌,拍手,祈り,読経(どきよう)などをともなう。公的な場において儀礼的,形式的に行われることもあれば(公的礼拝),単独に個人の信仰の深みから行われることもある(私的礼拝)。このように礼拝は,崇拝が純粋に宗教的であるのに対して,聖と俗の両面にかかわっているところに特徴がみられる。…

【寺事】より


[寺事と法要]
 寺事の中核となる法要は,何曲かの声明(しようみよう)と,特定の修法(しゆほう)や読経などを組み合わせて構成されている。その組合せ方によって種々の意義を表明しうるわけであり,これに礼拝行道(ぎようどう),呪法(呪師)などの所作を加えて,より意義を鮮明にし,儀礼としてのかたちを整えている。数多くの法要形式の中には,8世紀にすでに完成していたものもあり,現代の制作になる新しい法要形式もある。…

【年中行事】より

…【高橋 明】
[イスラム]
 イスラム教徒は,神への信仰を日常の行動のなかで具体的に表現することが求められ,イスラムはその意味で生活規範であり,イスラム教徒の行事は深くこれと結びついている。なかでも信徒の義務として五柱に挙げられている礼拝,断食,巡礼は,最も重要な行事であり,これらの行事を通じてイスラム共同体(ウンマ)の存在が確認される。たとえば,礼拝は各自1日5回これを行うことが定められているほか,毎週金曜日の正午には,町や村の中心となるモスク(ジャーミー)に集まり,イマームの指導のもとに集団礼拝を行う(この日はイスラム教徒の休日にあたる)。…

※「礼拝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android