略してGCMともいう。いくつかの自然数a1,a2,……,asの公約数のうち最大のもの。a1,a2,……,asの素因数分解が与えられれば,最大公約数を求めることができる。例えば24,36,60の素因数分解は24=23×3,36=22×32,60=22×3×5だから,24,36,60の最大公約数は22×3=12である。2個の自然数a,bの最大公約数は素因数分解をしなくても,ユークリッドの互除法によって求めることができる。多項式に対しても同様にいくつかの多項式の公約数のうち,次数が最大のものを最大公約数という。fが最大公約数のとき,af(aは定数≠0)も最大公約数であるが,ふつうその中の一つで代表させる。ユークリッドの互除法は一変数の2個の多項式の最大公約数を求めるのにも有効である。なお,最大公約数の“最大”の意味は,正確には公約数のうち素因数が最大ということである。
執筆者:杉江 徹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
二つ以上の正の整数について、そのどれをも割り切る整数(約数)を、初めの整数の公約数といい、公約数のうちで最大のものを最大公約数という。英語のGreatest Common Measureを略してG.C.M.とも書く。公約数はすべて最大公約数の約数になっている。最大公約数を求めるには、素因数分解の考えを基にして、次のようにすればよい。
二つの数の最大公約数を求めるのに、順に余りで割っていくやり方がある。これをユークリッドの互除法という。二つの整数について、その最大公約数が1のとき、この2数は互いに素であるという。二つの整数a、bについて、最大公約数をgとすると、a=a′g,b=b′gと表すことができて、a′とb′は互いに素である。
[三輪辰郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…自然数mがいくつかの自然数a1,a2,……,asのいずれについてもその約数であるとき,mはa1,a2,……,asの公約数であるという。a1,a2,……,asの公約数ということと,a1,a2,……,asの最大公約数の約数であるということとは同じである。例えば3個の自然数24,48,60の最大公約数は12で,24,48,60の公約数は12の約数1,2,3,4,6,12と一致する。…
※「最大公約数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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