六渡寺渡(読み)ろくどうじのわたし

日本歴史地名大系 「六渡寺渡」の解説

六渡寺渡
ろくどうじのわたし

射水川(現小矢部川)河口部の対岸をつなぐ船渡し。「義経記」巻七にみえる如意によい渡を六渡寺渡とする説があり(越中志徴)、源義経の奥州下りの際如意渡の渡守乗船を拒まれたが、弁慶機転で切抜け乗船できたという。しかし、如意渡は川を横切る渡ではなく、蓮沼はすぬま(現小矢部市)と六渡寺(現新湊市)間を結ぶ小矢部川を上下する舟運の渡しとされている。六渡寺渡の初出史料は、婦負ねい打出うちいで(現富山市)にあった真宗大谷派の極性ごくしよう(現同上)に対する過書札である。天文(一五三二―五五)から永禄(一五五八―七〇)頃、神保長職の有力被官寺嶋職定が極性寺衆三人に対し、「小渡 六渡寺 珠数くり 中橋」の関所の通行を認めた(年月日未詳「寺嶋職定過書札」極性寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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