六箇七郷(読み)ろつかしちごう

日本歴史地名大系 「六箇七郷」の解説

六箇七郷
ろつかしちごう

現かつらぎ町域の紀ノ川南岸部の東渋田ひがししぶた・西渋田・しまを除く全域、現海草郡美里みさと町の長谷宮はせみや毛原けばら地区、および九度山くどやま町の古沢こさわ地区、高野こうや町の花坂はなざか地区をほぼ荘域としたと考えられる高野山領荘園。現かつらぎ町上天野かみあまのに鎮座する高野山の地主神丹生都比売にうつひめ神社(天野社)が信仰上、中核的な役割を果していた。「高野山検校帳」「高野春秋」は、正暦五年(九九四)の高野山伽藍炎上の後、東三条院(藤原詮子)が高野山山籠衆僧の依怙料として、当郷を天野社に寄進したと伝えている。

六箇庄・六箇郷としても史料上に現れる。久安二年(一一四六)七月一〇日の鳥羽院庁下文案(根来要書)によれば、渋田郷の南限は「六ケ庄北堺」とあり、長寛二年(一一六四)七月四日付の太政官牒案(同書)に渋田郷は「東限六箇庄西堺 南限同庄堺」とあるので、六箇庄は渋田郷(志富田庄)の東と南に接した地であったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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