典鑰(読み)テンヤク

デジタル大辞泉 「典鑰」の意味・読み・例文・類語

てん‐やく【典×鑰/典×鎰】

律令制で、中務なかつかさに属し、監物けんもつとともに諸司の倉の鍵をつかさどった役。鎰取かぎとり。かぎのつかさ。

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精選版 日本国語大辞典 「典鑰」の意味・読み・例文・類語

てん‐やく【典鑰・典鎰】

  1. 〘 名詞 〙 令制での中務省(なかつかさしょう)四等官ほか品官中央官庁倉庫の鍵を保管した。定員は大・少典鑰各二人、各々従七位上・従八位下相当。かぎのつかさ。かぎとり。〔令義解(718)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「典鑰」の意味・わかりやすい解説

典鑰 (てんやく)

令制で中務省に属する品官(四等官以外の官)の一つ。大典鑰は従七位下,少典鑰は従八位上相当官。定員は各2名。管鑰(かぎ)を出納することをつかさどる。諸官司の庫蔵の鑰は中務省の監物けんもつ)が毎朝請(う)け取り毎夕返すが,請け出した鑰の実物は典鑰が出納する。庫蔵の物の出納は大蔵省・中務省被管内蔵寮に属する大・少主鑰(しゆやく)が担当する。庫蔵の出納全体を監察する者は監物で,典鑰は文字どおり鑰の実物だけを管理した。
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