20世紀日本人名事典 「兼重暗香」の解説
兼重 暗香
カネシゲ アンコウ
明治〜昭和期の日本画家 日本美術協会幹事。
- 生年
- 明治5年3月17日(1872年)
- 没年
- 昭和21(1946)年11月2日
- 出生地
- 山口県吉敷郡大歳村(現・山口市)
- 本名
- 兼重 梅子
- 別名
- 別号=暗秀
- 学歴〔年〕
- 頌栄女学校卒
- 経歴
- 5歳の時に病気で両足の自由を失う。父の転居に従って上京し、手押し車に乗って頌栄女学校に通った。明治22年頃から伯父で洋画家の河北道介から絵の手ほどきを受けるが、屋外での写生が困難なため間もなく南画に転じ、閨秀画家の野口小蘋に入門。花卉の画を得意とし、35年日本美術院展に出品して高い評価を得て以来、文展や帝展での入選・入賞は20回以上に及んだ。昭和5年には日本美術協会に入会、師の小蘋の没後には同幹事を務め、協会の中心として活躍。また、香風会を主宰した。太平洋戦争中に郷里山口に帰り、21年同地で没した。作品に「花卉」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報