内々神社(読み)うつつじんじや

日本歴史地名大系 「内々神社」の解説

内々神社
うつつじんじや

[現在地名]春日井市内津町

内津うつつ町の東端した街道の北側に妙見みようけん寺と並ぶ。祭神は建稲種命。「延喜式」神名帳の春部かすがべ郡の項に「内々ウチウチノ神社」とある。尾張国神名帳に「正三位内々天神」とある。中世までは篠木しのき庄三三ヵ村の総鎮守で、村ごとに毎年湯立神楽を奉納した。村々の銘のある湯立釜が六個残る。雨乞の際には尾張・美濃の農民たちは内々神社に祈願した。

天正三年(一五七五)兵火にかかり焼失して仮殿を建てた。慶長二年(一五九七)豊臣秀吉朝鮮出兵の時、戦勝を祈願して社頭の大杉七本を伐採して帆柱とした。のち礼として社殿を造営した(妙見寺伝)。古くなった社殿は氏子が享和三年(一八〇三)信州諏訪の立川富棟らを招いて着工、文化一二年(一八一五)に竣工した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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