寺社建築に用いる繋(つなぎ)虹梁の一つで,海老の胴のように曲がった形をしたもの。本屋柱と裳階(もこし)柱・向拝(こうはい)柱などのように,つなぐ高さが異なる場所に架ける。元来は禅宗様(ぜんしゅうよう)のものであるが,南北朝期以降神社本殿などにも盛んに使われた。側面の下方に眉欠(まゆかき),両端に袖切(そできり)をつけ,下面に錫杖(しゃくじょう)彫を彫る。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…唐様という呼称も,チャイニーズ・スタイルそのものとの誤解を避けるため,現代では禅宗様と呼ぶことが多くなった。禅宗様建築の特徴は,(1)軸部の柱高が高く,貫(ぬき)を多用する,(2)組物は詰組といい,柱上のみでなく柱の間にもおく,(3)屋根の傾斜は急で,軒反(のきぞり)が強い,(4)大虹梁(だいこうりよう)を利用して構造柱を少なくし大空間をつくる減柱造,(5)虹梁上に大瓶束(たいへいづか)を用いる小屋組,(6)礎石と柱の間に礎盤(そばん)を入れる,(7)柱の上下端を丸く細める(これを粽(ちまき)という),(8)丈の高い頭貫(かしらぬき)と厚い台輪をめぐらし先端を繰形のある木鼻とする,(9)海老(えび)虹梁という曲線状の虹梁を用いる,(10)肘木(ひじき)は笹繰(ささぐり)をもち先端をまるめる,(11)垂木(たるき)は扇垂木という放射線状の配置にする,(12)内陣に鏡天井を使う,(13)窓や出入口の花頭曲線,(14)桟唐戸(さんからど)という桟で組んだ扉を使う,などである。ただ,現在みられる禅宗様建築はすべて14世紀以降のもので,13世紀に伝来した初期の遺構はない。…
…禅宗様と大仏様では,下面に錫杖彫(しやくじようぼり),側面に袖切(そできり),眉(まゆ)と呼ぶ装飾を彫り込む。大仏様では太くて断面が円形に近く,禅宗様では断面が長方形で,側面にややふくらみがあり,繫虹梁には両端の高さの違う反転曲線状の海老(えび)虹梁を使う。また,禅宗様と大仏様では虹梁の根元に持送りの組物を使う。…
※「海老虹梁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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