内国取引の保護(読み)ないこくとりひきのほご

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内国取引の保護」の意味・わかりやすい解説

内国取引の保護
ないこくとりひきのほご

国際私法により準拠法とされる法律外国法である場合,国内の取引法秩序の安定保護のために,一定範囲で外国法の適用を排除し,内国法を適用すること。法例3条1項は行為能力について本国法を準拠法としているが,その2項において,外国人が日本で行為した場合には,準拠外国法上無能力者であっても,日本法によれば能力者として扱うことにしている。これは日本での取引においては,相手方の本国法を知らなくても安心して取引できるようにしたものである。また法例 15条1項は夫婦財産制について外国法が準拠法となる場合を想定しているが,2項および3項で内国取引の保護をはかっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android