内山廃寺(読み)うちやまはいじ

日本歴史地名大系 「内山廃寺」の解説

内山廃寺
うちやまはいじ

[現在地名]生野町竹原野

竹原野たけはらのにあった寺院。寺号は内山ないさん寺で、山号は松竜山。真言宗で、中世には京都仁和寺末。法道仙人の開基と伝えるが未詳。応永一九年(一四一二)京都北野社の一切経供養に際し、「但馬国朝来郡仁和寺之末寺内山寺妙行院滝本坊之住侶少輔房昌宥卅六」が、菩薩瓔珞経巻第一の一巻を書写している(京都大報恩寺蔵)。当時は仁和寺末であることと、滝本坊などの小院をもっている寺観の一端が判明する。室町時代には守護山名氏の祈願所となり、諸公事・課役が免除されていた。生野町郷土資料館(生野書院)には、戦国時代末期の内山寺旧蔵文書七通を蔵する。年未詳一二月一四日付山名誠豊諸公事免状(山名誠豊は祐豊の養父で大永八年没)は、内山寺が代々山名氏の判形を紛失したため改めて「先々筋目」をもって諸公事・課役を免除したもの。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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