円タク(読み)エンタク

デジタル大辞泉の解説

えん‐タク〔ヱン‐〕【円タク】

《「一円タクシー」の略》1円均一の料金で大都市を走ったタクシー。大正13年(1924)大阪で始まり、同15年に東京に現れた。料金が変わってからもタクシーの通称として残った。

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大辞林 第三版の解説

えんタク【円タク】

〔「一円タクシー」の略〕
大正末期から昭和初期にかけて、一円均一で市内特定地域を走ったタクシー。メーター制になってからも、しばらく流しのタクシーの意味で使われた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

円タク
えんたく

1円タクシーの略。市内どこまで行っても1円均一というタクシー料金システムで、1924年(大正13)に大阪で始まり、26年には東京、ついで全国に広まった。台数の増加や不景気のため、交渉しだいで50銭、30銭と割引もされた。さらに37年(昭和12)ごろからは距離制メーターが採用され、実際には1円均一の期間は短かったが、円タクの名は、その後もしばらくタクシーの通称として残った。[森脇逸男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

えん‐タク ヱン‥【円タク】

〘名〙 (「一円タクシー」の略) 市内料金が一円均一のしのタクシー。大正(一九一二‐二六)の末に大阪と東京に現われたが、のちには料金は交渉しだいとなり、当初より相当安くなった。第二次大戦後、メーター制になってもこの呼び名はしばらく残った。
※春泥(1928)〈久保田万太郎〉むほん「雷門を出るとすぐ茅町までかれは円タクに乗った」

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世界大百科事典内の円タクの言及

【円本】より

…昭和初期に多くの出版社から,いっせいに200点以上も刊行された全集本の総称。当時東京市内を1円均一で走るタクシーを〈円タク〉といったが,これらの全集も定価1円のものが多かったところから,円本と俗称された。創始者は改造社社長山本実彦で,木村毅らに書目選定を依頼,《現代日本文学全集》として,1926年12月に第1回配本《尾崎紅葉集》を出版した。…

【人力車】より

…乗りごこちはたいへんよくなったのであるが,車を賃借りする車夫たちにとってはそれに伴う賃借料の値上げが大問題で,1909年には廃業する者が多く,12年には300人の車夫がゴムタイヤの使用制限を警視庁に嘆願するほどであった。20年代ごろから市街電車や自動車が発達し,とくに23年の関東大震災をさかいに,〈円タク〉と呼ばれた流しやつじ待ちタクシーが増加するにともなって人力車は衰退し,現在では一部の花柳街や観光地に見られるだけになった。なお,明治の文明開化期における新文物の大半が欧米由来のものであるところから,人力車の発明は日本人の手になるものとして高い評価を受けたことがあり,明治以来,中国,東南アジアなどのほかヨーロッパにも輸出され,中国では洋車(ヤンチヨー)の名で親しまれていた。…

【タクシー】より

…現在大都市でみられる流しタクシーという営業形態が始まったのは21年で,それまではいまのハイヤー(法律上はハイヤーとタクシーの区別はない)のように車庫待ち営業であった。日本の大都市でタクシーが急増したのは23年の関東大震災以後で,27年にはいわゆる〈円タク〉時代を迎えた。当時の東京市内全域の運賃が1円均一であったところから円タクと呼ばれたのである。…

※「円タク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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