( 1 )もとは、①の意の、天体観測やリアルな絵を描くために用いられた機械を指していた。
( 2 )②の意味で用いられるようになったのは、天保一一(一八四〇)にオランダからカメラが渡来して以後であるが、渡来した直後の嘉永三(一八五〇)頃には、「写真鏡」のほかに「真写影鏡」、「撮影鏡器」などの呼称も使われた。明治直前には「写真鏡」が一般的となり、その後一九世紀末には「撮影機」「写真機」「カメラ」などの用例も見られるようになる。
…はじめは字義どおり,暗い部屋の中で日食の観察や絵の下描きのために用いられたが,16世紀ころになるとピンホールの代りに凸レンズが装着され,17世紀に入ると現在のカメラの原型といえる暗箱型のカメラ・オブスキュラが完全な遠近法による絵を描くための“道具”として普及する。日本でも写真機が将来される以前に,杉田玄白や司馬江漢らによって〈暗室写真鏡〉〈写真鏡〉として紹介された。カメラ・オブスキュラの歴史は,単にカメラの原型というだけではなく,人間と映像の初源的な関係を物語っている。…
※「写真鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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