准胝堂(読み)じゆんていどう

日本歴史地名大系 「准胝堂」の解説

准胝堂
じゆんていどう

[現在地名]高野町高野山

御影みえ堂の西隣に南面して建つ。現在の堂は明治一六年(一八八三)建立で、四間四面の建物。西御堂にしみどう弥勒みろく堂ともいう。康暦二年(一三八〇)の高野伽藍記(続風土記)に「准胝堂 小松天皇御願也、真然僧正建立、金剛界五仏、並四天王、准胝大師御作、食堂本尊、移置之此御堂霊験掲焉、故号准胝堂」とあり、高野略記(同書)は、食堂に安置していた准胝観音を西御堂に移したところ、霊験あらたかなるをもって、この堂を准胝堂と名付けたとする。一方、大永四年(一五二四)の准胝堂勧化序文(同書)は、「西塔破壊之時、以彼五仏奉此伽藍、故称西御堂」と別称西御堂の由来を記す。「金剛峯寺巡礼日記」も同様のことを記す。これらから准胝観音はもと食堂の本尊であったのを、のちに御影堂の西の堂に移したことからその堂を准胝堂と名付けたこと、西塔が破壊した時、その五仏を准胝堂に移したことからこの堂を西御堂と称したことを知りうる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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