僧侶の身分・役割を示す名称。〈しょうじ〉ともいう。寺院の日常的な運営上の雑務にあたるほか,法会の場においては,行事の進行にかかわる裏方を務める。かつては寺院の封建的身分制度下では,教義の学問的探求に専念する学侶(がくりよ)が支配的権限を持ち,諸仏への勤行にあたる堂方(どうほう)がその下,法具や香花の補充等を行う承仕は,終生その支配下にあったとされた。現在は,承仕の身分は固定的なものとは意識されず,若年の僧の修行の場として通過する役割と考えられる。日常的には高僧に侍することも多い。法会に際しては,進行役の責任者である会奉行(えぶぎよう)や威儀師(いぎし)の指示を受けて,必要な雑務にあたる。法具の確認や配置などの準備,出仕者への連絡,法具の配布と撤収など,指示のとおりに承仕が行う。規模の大きい行事の場合,複数の承仕を立てることもある。
執筆者:高橋 美都
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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