出羽洞穴(読み)いずるはどうけつ

日本歴史地名大系 「出羽洞穴」の解説

出羽洞穴
いずるはどうけつ

[現在地名]日之影町見立

大分県との県境をなす本谷ほんたに山の中腹、標高九二〇メートルの位置にあり、五ヶ瀬川の支流日之影川に流れる沢との比高は七メートルほどである。昭和四一年(一九六六)から三年間にわたって発掘調査が行われた。洞穴は礫岩の巨塊の重なりによって形成され、間口八メートル・奥行一三メートル、入口の天井の高さは西側で七・四メートル、東側で二・二メートルの規模を有する。付近にも同規模の洞穴が数ヵ所確認されている。前面の沢には流紋岩の礫が散在していて、石器の材料は豊富である。調査の結果、第II層から後期の磨消縄文前期の条痕文、早期の押型文などが石鏃剥片石器とともに出土した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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