出遣い(読み)デヅカイ

デジタル大辞泉 「出遣い」の意味・読み・例文・類語

で‐づかい〔‐づかひ〕【出遣い】

多く金銭を消費すること。
人形芝居で、人形遣いかみしもなどの盛装舞台に出て、顔を隠さずに人形を遣うこと。
操り人形で、幕などの陰に身体を隠して遣う陰遣いに対して、人形遣いが舞台に身体を出して遣うこと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出遣い」の意味・わかりやすい解説

出遣い
でづかい

人形浄瑠璃用語。人形遣いが顔や全身を観客に見せて人形を遣うこと。当初,幕や手すりの陰に身体を隠して人形を遣う「陰遣い」を行なっていたが,元禄7 (1694) 年,辰松八郎兵衛が,竹本座の『本海道虎石 (とらがいし) 』で,綟子 (もじ) 手すりを使って,一人遣い人形を遣う姿を見せ,宝永2 (1705) 年,豊竹座『金屋金五郎後日雛形』の道行では,藤井小三郎が綟子手すりを取去った平舞台で全身出遣いを始めた。竹本座でも,『用明天皇職人鑑』で辰松八郎兵衛が同形式の出遣いを行なった。享保 19 (34) 年,三人遣いが考案されてからは,遣い方の便宜上,平舞台を廃して手すり舞台による半身出遣いへと移行し,出遣いは,主 (おも) 遣いが特定の場で,黒衣 (くろご) や頭巾を着けず,裃 (かみしも) などを着用し,顔を見せて遣うことをいうようになった。

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とっさの日本語便利帳 「出遣い」の解説

出遣い

普段は黒い頭巾で顔を隠している人形遣いが、見物の前に顔を出して遣うこと。その際は紋付袴で現れる。物語の重要な場面を切場(きりば)といい、ここで出遣いとなる。切場を語るにふさわしい芸の持ち主を切場語りという。対して端場(はば)は各段の発端など重要でない場面。

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