分散理論(読み)ぶんさんりろん(その他表記)dispersion theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分散理論」の意味・わかりやすい解説

分散理論
ぶんさんりろん
dispersion theory

場の量子論において,散乱振幅S行列は関与する粒子のエネルギーや運動量の関数であり,これらの変数複素数にとれば散乱振幅や S行列は複素関数となる。因果律に基づいた解析性や確率の保存に基づいたユニタリ性などの要請によって,この関数形が制限されることを利用して,物理量の間の関係を求める理論を分散理論という。このとき,複素関数に関するコーシー定理 (→コーシーの積分定理 ) によって与えられる実数部と虚数部の間の積分関係式を分散公式という。分散公式はくりこみ済みの観測可能量の間の関係式として与えられるので,分散理論はくりこみ理論の1つの発展であり,また S行列の理論に内容を与えたものとみなせる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 量子論

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む