切て落とす(読み)きっておとす

精選版 日本国語大辞典 「切て落とす」の意味・読み・例文・類語

きっ【切】 て 落(お)とす

  1. 勢いよく切って下へ落とす。さっと切り落とす。
    1. [初出の実例]「あがる矢をばついくぐり、さがる矢をば躍り越え、向ってくるをば長刀できておとす」(出典:平家物語(13C前)四)
  2. 特に、歌舞伎で、振竹(ふりだけ)を用いた仕掛けによって舞台にかかっている幕の上部をはずして一度に落とす。
    1. [初出の実例]「チョンと上の黒幕切って落す」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)大切)
  3. ( を比喩的に用い、多く「…の幕が切って落とされる」の形で ) ある期間継続して行なわれる物事が始まる意に用いる。
    1. [初出の実例]「つぎつぎと空に砲声がひびきわたり、行動開始の幕は切って落された」(出典:男鹿(1964)〈田村泰次郎〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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