切手会所跡・国産木綿会所跡(読み)きつてかいしよあと・こくさんもめんかいしよあと

日本歴史地名大系 の解説

切手会所跡・国産木綿会所跡
きつてかいしよあと・こくさんもめんかいしよあと

[現在地名]姫路市綿町

江戸時代後期に綿わた町の山陽道北側に設けられた姫路藩の役所。酒井氏が姫路に入封した頃から姫路藩の財政は窮乏していたが、文化五年(一八〇八)には負債総額七〇万両余に達した。酒井忠道に財政改革を命じられた家老河合隼之助道臣(のち寸翁)がとった諸政策のなかの一つが切手会所・国産木綿会所の設置である。この頃までに国産の木綿はおもに大坂へ出荷されていたが、道臣は販路を拡大し直接江戸への出荷を成功させた。しかし売上金や諸費用・手続に現金の送付は危険かつ複雑であることから切手を発行した。文政三年(一八二〇)銀切手八種・銭切手三種を発行し、取扱に混乱のないよう領内見本の切手を配布するとともに触を出した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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