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出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…国産方,産物方,産物会所ともいう。江戸中期以降,藩が領内で生産される国産の奨励または統制を行うために設けた機関。…
…たとえば鹿児島藩では1830‐40年代(天保・弘化期)の藩政改革ののち,集成館の造船・造機工場や洋式綿糸紡績所などの操業が開始され,諸藩や幕府でも反射炉,溶鉱炉,造船所の建設や国産振興,専売制度,交易拡大などの政策が,緊迫した内外の政局のなかで積極的に進められた。諸藩の産物会所や幕府の神戸商社(1867年設立)のほか,佐賀藩,鹿児島藩,水戸藩,盛岡藩,韮山代官所などの反射炉や溶鉱炉,長崎,横浜,横須賀の幕営製鉄所(造船・造機工場),鹿児島紡績所と奄美の製糖工場(鹿児島藩)などは,その代表的な例である。それらはいずれも政策主体(幕府,諸藩)の危機意識に基づいて幕営ないし藩営企業として設立され,また多くの場合,製鉄,造船,造機などの軍事部門を含んでいた。…
…
[後期――特産物の専売化と荷為替の運用]
ここで時期区分した年代は,19世紀前半期にあたり,文化・文政・天保期(1804‐44)ということになろう。藩政改革の視点からこの時代を特徴づけるものは,各藩ともに財政的に行き詰まり,産物会所(国産会所)を設け,藩専売制によってこの困難な事態を打開しようとしていることである。例えば,播磨・但馬両国内に展開している大小諸藩をみても,こぞってこの時期に国産会所の設立に走っているが,ただ,産物会所を設け,専売制の実施に踏み切っても赤穂藩の塩専売制度のように,逆に1821年(文政4)には産物会所の解散に追い込まれていく場合もみられた。…
※「産物会所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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