列車が走行する際、列車を構成するすべての車両が受ける抵抗の総計。走行抵抗、出発抵抗、勾配(こうばい)抵抗、曲線抵抗、トンネル抵抗などがある。走行抵抗は、車両が直線で平坦(へいたん)な線路を一定速度で走行するときに生じる抵抗で、定数項、速度に比例する項、速度の二乗に比例する項の合計で表されることが多い。出発抵抗は、静止している列車が動きだす際に追加される抵抗で、非常に低速度の範囲のみで存在すると考えられている。勾配抵抗は勾配区間を登る場合の抵抗、曲線抵抗は曲線区間を走行するときに追加される抵抗で、走行速度には無関係と考えられている。トンネル抵抗は、トンネル内を走行するときに追加される抵抗で、トンネルの長さ、列車とトンネルの断面積の比率などによって変化する。
各鉄道会社は、自社の線路上を自社の列車が走行するときの列車抵抗の計算式を、実際の測定結果に基づいて決めており、それが運転計画の際に使用される。その測定はすべての列車について行われるわけではないが、すべての列車の運転計画に使用できる計算式が必要である。したがって、走行抵抗式は実際の測定結果よりも大きめの値が出るように配慮されていることが多い。
[福田信毅]
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