別の櫛(読み)わかれのくし

精選版 日本国語大辞典 「別の櫛」の意味・読み・例文・類語

わかれ【別】 の=櫛(くし)[=御櫛(みぐし)

別れのしるしとしての櫛。
中古斎宮(いつきのみや)となった皇女もしくは女王が、伊勢へ出発するために参内して別れを告げた時、天皇がみずから斎宮の髪にさして与えた櫛。この儀式は九月上旬の吉日を選んで行なわれた。《季・秋》
源氏(1001‐14頃)賢木「わかれのくしたてまつり給ほど、いとあはれにて」
② 人との別れや不吉なことの前兆としての櫛。投げ捨てられたり人に与えられたりした櫛。嫁入りに際しては、二度実家へもどらないようにと与えられた。
浄瑠璃女殺油地獄(1721)下「あきれてとんと投げ櫛は、別れのくしとて忌むことを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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