最新 地学事典 「利尻火山」の解説
りしりかざん
利尻火山
Rishiri volcano
北海道の北端から約30km西方の日本海にある15km×18kmのほぼ円形の利尻島の中央にそびえる活火山。最高峰は利尻山(1,719m)。山体の上部はきわめて急峻な地形をなすが,海抜300~400m以下では緩傾斜の扇状地が広がっている。基盤岩は島の北部に露出する中新世後期の海成層である鴛泊(おしどまり)層。利尻火山の誕生は約20万年前以降と推定される。成層火山は少なくとも3期に区分され,1・2期は玄武岩~安山岩質の火砕岩・溶岩,3期は安山岩質溶岩・火砕岩からなる。数万年前からはおもに玄武岩質マグマの活動となった。その大半は北西~南東方向の山麓に側火山(スコリア丘やマール)として噴出したが,山頂火口からの溶岩流も認められる。溶岩の一部は典型的なパホイホイ溶岩。開析された谷には多くの放射状岩脈が露出。道北地域には利尻火山起原のデイサイト質および玄武岩質のテフラが広く分布している。岩石はアルカリ岩系の玄武岩とカルクアルカリ岩系のかんらん石輝石安山岩~角閃石輝石デイサイトからなる。
執筆者:小野 晃司・小林 哲夫・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

