刺竹の(読み)さすたけの

精選版 日本国語大辞典 「刺竹の」の意味・読み・例文・類語

さすたけ‐の【刺竹の】

(「さすだけの」とも)
① 「君」「大宮人」「皇子(みこ)」「舎人男(とねりおとこ)」などの宮廷関係の語にかかる。かかり方未詳。
書紀(720)推古二一年一二月・歌謡「親無しに 汝生りけめや 佐須陁気能(サスタケノ) 君はや無き 飯に飢て 臥せる その旅人あはれ」
万葉(8C後)二・一六七「そこ故に 皇子の宮人 行方知らずも〈一に云ふ刺竹之(さすたけの)皇子の宮人ゆくへ知らにす〉」
② 「よごもる」にかかる。
※万葉(8C後)一一・二七七三「刺竹(さすたけの)よごもりてあれ吾が背子が吾がりし来ずは吾恋ひめやも」
[補注]①は、「瑞枝さす」「五百枝さす」などの「さす」と同語で、竹が勢いよく生長することから宮廷をほめたたえる事柄に用い、それを舎人などにも転用したと考えられる。②は、「さすたけ」を「刺竹」と解して竹の節(ふし)を「よ」というから、同音を含む「よごもる」にかかるか。一説に「さすたけのよ」までを「こもる」の序詞とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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