前谷遺跡(読み)まえたにいせき

日本歴史地名大系 「前谷遺跡」の解説

前谷遺跡
まえたにいせき

[現在地名]松山町泰野 前谷

背後にきり岳の裾野が広がる標高約一六〇メートルの山麓台地にある。縄文時代から歴史時代にかけての複合遺跡であるが、中心となるのは縄文時代。昭和六〇年(一九八五)発掘調査が行われた。縄文時代早期の遺構では集石遺構が二基確認されている。縄文時代中期と推定される竪穴住居跡が五軒・円形ピット一基・集石一基が検出された。住居の平面形には隅丸長方形と円形のものとがあり、切合い関係から隅丸長方形のものが円形のものよりも若干古いといえるが、平面形の相違は住居の有する機能差であったとも考えられている。当時の住居の発掘調査例がそれほど多くないため確定できない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android