剥げる(読み)はげる

精選版 日本国語大辞典 「剥げる」の意味・読み・例文・類語

は・げる【剥・禿・兀】

  1. 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]は・ぐ 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 表面を覆っているものが取れる。はがれる。
    1. [初出の実例]「皰(うめ)かさの潰(ハゲ)て膿血流れ出して」(出典:石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六)
    2. 「黒塗の箱の〈略〉ふるめきまどひて、所々はげたるを」(出典:落窪物語(10C後)一)
  3. 毛、特に人の髪の毛が抜け落ちて地肌があらわれる。
    1. [初出の実例]「鬚はげたるをのこの」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)五)
  4. 山などに生えていた樹木がなくなる。
    1. [初出の実例]「風俗は、都に耻ぬはげし地の、歩(かち)をひらふて象潟御前」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)七)
  5. 色が薄くなる。色があせる。
    1. [初出の実例]「涙に墨染もはぐるばかり歎きぬ」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)七)
  6. 隠れていた内実があらわれる。隠しごとが露顕する。ばれる。
    1. [初出の実例]「かくす年・咄しにはぐる彗星」(出典:俳諧・瀬とり舟(1704))
  7. 人気が落ちる。

へ・げる【剥】

  1. 〘 自動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]へ・ぐ 〘 自動詞 ガ下二段活用 〙
  2. ある物の上にはったもの、塗ったものなどがはがれ落ちる。めくれて取れる。はげる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「欠(ヘゲ)たる重箱」(出典:最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎一四)
  3. それまでの態度意欲などを失う。おれる。→が(我)が=折れる〔=へげる〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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