力無い（読み）チカラナイ

デジタル大辞泉

ちから‐な・い【力無い】

［形］［文］ちからな・し［ク］
１ 体力・気力を失って元気がない。「―・くつぶやく」「―・い足取り」
２ しかたがない。どうしようもない。
「さらんには―・しとて、そののち沙汰もなかりしを」〈平家・四〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ちから‐な・い【力無】

1. 〘 形容詞口語形活用 〙
   [ 文語形 ]ちからな・し 〘 形容詞ク活用 〙
2. ① 自分の力ではどうしようもない。どうにもならない。仕方がない。やむをえない。〔新撰字鏡（898‐901頃）〕
   1. [初出の実例]「此わかしゅをとねらひども、をりがなければちからなし」(出典：咄本・鹿の巻筆（1686）四)
3. ② 望んでいた結果が得られずに気落ちする。気力が抜けた状態である。落胆する。がっかりしている。
   1. [初出の実例]「上東門院、〈略〉、性空聖人出合給はず。ちからなく御下向ありけるに」(出典：仮名草子・東海道名所記（1659‐61頃）六)
4. ③ 体力・気力が衰えている。疲れて元気がなくなる。また、言語・行動に力がこもっていない。
   1. [初出の実例]「いとどすねよはく力なき身の跡ざまにひかふるやうにて道猶すすまず」(出典：俳諧・笈の小文（1690‐91頃）)
   2. 「老人は力なく笑った」(出典：はやり唄（1902）〈小杉天外〉一)

力無いの派生語

ちからな‐げ

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

力無いの派生語

ちからなげ‐さ

1. 〘 名詞 〙

力無いの派生語

ちからな‐さ

1. 〘 名詞 〙

出典　精選版 日本国語大辞典