こう【功】 成(な)り名(な)遂(と)げて身(み)退(しりぞ)くは天(てん)の道(みち)なり
(「
老子‐九」の「金玉満
レ堂、莫
二之能守
一、富貴而矯、自遺
二其咎
一、功成名遂身退、天之道」から) 功を立て名誉を得た後は、その
地位を退くのが
天道、すなわち、
天地自然の理にかなったやり方である。
※
曾我物語(南北朝頃)五「『
大名の下には、久居すべからず。こうなりなとけて身しりそくは天の道也』とて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
功成り名遂げて身退くは天の道なり
人生で成功したら、すみやかに身を引くのが賢い生き方である、ということ。
[使用例] これらの作家皆功成り名遂げて早くも文壇を去りしに、思えばわれのみ唯一人今に浮身を衆毀の巷にやつす[永井荷風*書かでもの記|1918]
[由来] 「[老子]―九」の一節。「金銀や宝石を家にいっぱいため込んでも、守り抜くことはできない。地位と財産を得て思い上がると、災難を引き起こす」と述べたあと、「功成り名遂げて身退くは、天の道なり(功績を挙げて名声を得たら、その地位を退くのが、自然の理にかなったやり方である)」と続けています。
[解説] 「功成り名遂げる」だけで、人生で成功するという意味で用いられることもよくあります。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報