日本大百科全書(ニッポニカ) 「加太峠」の意味・わかりやすい解説 加太峠かぶととうげ 三重県中北部、鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)の鞍部(あんぶ)の一つ。亀山(かめやま)市と伊賀(いが)市との境にあり、標高約300メートル。古代、大和(やまと)から東国へ向かう官道が通り、壬申の乱(じんしんのらん)(672)のとき、大海人皇子(おおあまのおうじ)一行が越えたと『日本書紀』にある。平安遷都後、官道は鈴鹿峠越えとなり、さびれた。現在、名古屋から伊賀、大和を経て大阪に至る最短ルートで、JR関西本線、名阪国道がトンネルで、国道25号(大和街道)が昔ながらのつづら折りで抜けている。伊勢(いせ)湾側と大阪湾側との分水嶺(れい)でもある。[伊藤達雄][参照項目] | 壬申の乱 | 鈴鹿山脈 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例