精選版 日本国語大辞典 「助・扶」の意味・読み・例文・類語
たすか・る【助・扶】
〘自ラ五(四)〙 (「たすける(助)」の自動詞形)
① 死の危険や病気、罪科、損害などを免れる。
※虎明本狂言・靫猿(室町末‐近世初)「命をたすかったをうれしひと思ふ物じゃ」
② 精神的な苦しみや迷いから救われる。精神的、宗教的に救われる。
※多武峰少将物語(10C中)「あはれに問ひきこえ給へば、それにたすかることどもあり」
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉三人上戸「若い男かなんかであってくれたはうが、まだしもいくらか助かるやうな気持だった」
※平家(13C前)六「もしやたすかり給ふと、筧の水をまかせたれば」
④ (「杖(つえ)にたすかる」の形で) 杖にすがる。杖を支えとする。
※玉塵抄(1563)一八「藜のあかざの杖にたすかってあるく老人の心ぞ」
[補注]平安期の俗語で、主に男子の会話や語り物などで使用された。
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