経済主義(読み)ケイザイシュギ(その他表記)ekonomizm

デジタル大辞泉 「経済主義」の意味・読み・例文・類語

けいざい‐しゅぎ【経済主義】

労働運動目的賃上げ労働条件改善など経済的なものに限定しようとする立場労働組合主義

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精選版 日本国語大辞典 「経済主義」の意味・読み・例文・類語

けいざい‐しゅぎ【経済主義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あるものを生産するのにかかる費用労力などを最小に抑え、最大効果を得ようとする考え方。
    1. [初出の実例]「出しても用の足りぬ声を使ふのは経済主義から云ふても功利主義から云っても割に合はぬ」(出典:趣味の遺伝(1906)〈夏目漱石〉一)
  3. 労働組合運動で、経済的問題と政治的問題とを分離し、前者だけを重視する考え方。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経済主義」の意味・わかりやすい解説

経済主義
けいざいしゅぎ
ekonomizm

19世紀末から 20世紀初頭にかけて,ロシア社会民主労働党内に発生した改良主義的思潮をさす。労働者は目に見える成果のためにのみ戦うべきであり,労働者にとって重要な戦いは身近な要求を獲得するための経済闘争であり,政治闘争は第2義的なものにすぎないと主張した。経済主義の傾向は在外ロシア社会民主主義者同盟などに顕著であったが,『労働者の事業』 Rabochee delo,『労働者の思想』 Rabochayamysl'が,その機関紙であった。これに対してレーニンは,経済主義は労働者の自然発生性の前に屈服し,目的意識的な戦いを放棄する日和見主義であると徹底的に批判し,ツァーリ政府打倒のための政治闘争へ向う目的意識をもった戦いこそ重要であると主張した。また,経済主義とテロリズムは自然発生性の前に屈服する両極であるとして,きびしく指弾した。

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