日本大百科全書(ニッポニカ) 「勝太郎」の意味・わかりやすい解説
勝太郎
かつたろう
(1904―1974)
歌手。新潟市生まれ。本名真野(旧姓佐藤)かつ。早く母に死別し、地元の花街を経て上京、日本橋葭町(よしちょう)で清元(きよもと)で鍛えた美声を披露しているうちに、1930年(昭和5)ラジオ放送で歌った『佐渡おけさ』で認められ、日本調歌謡曲の「うぐいす芸者」として売り出す。32年日本ビクターに入社、同年末(1933年1月新譜として)発売した『島の娘』(長田幹彦(みきひこ)作詞、佐々木俊一作曲)が大ヒットし、同じ日本調の市丸とともに歌謡曲史に一時代をつくった。ほかに『東京音頭』『勝太郎子守唄』などヒット曲も多い。のち妓籍(ぎせき)を離れ、小唄不二(こうたふじ)派の家元として小唄勝太郎を名のった。
[斎藤 明]