真野(読み)マノ

デジタル大辞泉 「真野」の意味・読み・例文・類語

まの【真野】

新潟県佐渡島南西部の地名。真野湾の東岸にある。佐渡国分寺跡順徳上皇火葬塚などがある。
滋賀県大津市北部の地名。琵琶湖最狭部の西岸にある。[歌枕]
「吹き下ろす比良山風や寒からむ―の浦人衣うつなり」〈続後撰・秋下〉

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精選版 日本国語大辞典 「真野」の意味・読み・例文・類語

まの【真野】

  1. [ 一 ] 福島県相馬郡鹿島町の地名。旧真野村。真野川下流南岸にあり、真野古墳群(国史跡)など遺跡が多い。
    1. [初出の実例]「陸奥の真野の草原(かやはら)遠けども面影にして見ゆと云ふものを」(出典万葉集(8C後)三・三九六)
  2. [ 二 ] 新潟県佐渡市の地名。佐渡島の南西部にあり、真野湾に面する。古代、佐渡国の国府・国分寺が置かれた地で、真野古墳群や順徳上皇・日蓮など有名流人の遺跡が多い。
  3. [ 三 ] 滋賀県大津市北部の地名。琵琶湖の西岸にある。真野春日山古墳などの遺跡がある。
  4. [ 四 ] 兵庫県神戸市長田区の地名。
    1. [初出の実例]「いざ児ども大和へ早く白菅の真野(まの)榛原手折りて行かむ」(出典:万葉集(8C後)三・二八〇)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「真野」の意味・わかりやすい解説

真野(新潟県)
まの

新潟県佐渡郡(さどぐん)にあった旧町名(真野町(まち))。現在は佐渡市の南西部を占める一地区。1951年(昭和26)町制施行。2004年(平成16)、両津(りょうつ)市および佐渡郡の相川(あいかわ)町、佐和田(さわた)町、金井(かない)町、新穂(にいぼ)村、畑野(はたの)町、小木(おぎ)町、羽茂(はもち)町、赤泊(あかどまり)村と合併して佐渡市となる。旧真野町は佐渡島(さどがしま)の小佐渡山地西部、真野湾岸に位置する。両津港から小佐渡線回りのバスの便があり、中心新町(しんまち)は小木線の乗換場所になっており、地方商店街でにぎわい、酒、みそや木材などの工場も多い。これに続く四日町(よっかまち)は野菜生産地として知られ、春の彼岸市(ひがんいち)で有名な大願寺(だいがんじ)がある。古代は佐渡国の国府・国分寺の置かれた島の中心で、島に流された有名流人遺跡も多く、国府川(こくぶがわ)沿岸には条里制遺跡も残る。なかでも、承久の乱(じょうきゅうのらん)(1221)で佐渡に流された順徳上皇(じゅんとくじょうこう)の真野御陵(火葬塚)や真野宮(ぐう)は島の観光史跡の中心をなし、近くの真野湾岸には、上皇が上陸した恋ヶ浦(こいがうら)遺跡もある。また、東端竹田には佐渡国分寺跡(国史跡)や日野資朝(ひのすけとも)筆の法華(ほけ)経や日蓮聖人(にちれんしょうにん)筆書状(ともに国指定重要文化財)を蔵する妙宣寺(みょうせんじ)がある。真野湾岸は西浦(にしうら)とよばれ、越(こし)の長浜(ながはま)の海岸景勝地が有名で、段丘面には西三川砂金山跡などが残る。この海岸の豊田(とよた)沖に県水産海洋研究所の佐渡水産技術センターが開設され、佐渡島沿岸の水産生物の増養殖や技術開発などが行われている。

[山崎久雄]

『『真野町史』3冊(1976~1983・真野町)』


真野(滋賀県)
まの

滋賀県大津市北部の一地区。旧真野村。琵琶(びわ)湖最狭部の西岸にあり、古墳群や古代の遺跡が多い。真野川の三角州が突出した側面は真野入江、真野浦とよばれた景勝地で、古来歌枕(うたまくら)として知られた。現在はJR湖西(こせい)線が通じ、都市化が著しい。国道477号(レインボーロード)が通じ、湖西道路真野インターチェンジが設置されている。湖岸には真野浜水泳場、真野漁港がある。

高橋誠一

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日本歴史地名大系 「真野」の解説

真野
まの

「万葉集」に真野の榛原はりはら、真野の浦、真野の池と詠まれている真野は近江の地名といわれるが、苅藻かるも(現新湊川)下流域、近世の東尻池ひがししりいけ村・西尻池村付近に比定する説もある。「いざ児ども大和へ早く白菅の真野の榛原手折りて行かむ」(「万葉集」巻三)のように菅・榛を詠込んだ歌が多く、その自生地であったとみられる。

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百科事典マイペディア 「真野」の意味・わかりやすい解説

真野[町]【まの】

新潟県佐渡島中南部にある佐渡郡の旧町。大半は小佐渡の丘陵地で,米を産するほか,野菜,果樹栽培,畜産を行う。中心の新町は真野湾に臨み,古代の佐渡開発の中心地で,国分寺跡(史跡),妙宣寺,壇風遺跡,順徳上皇の真野陵などの史跡がある。2004年3月両津市,佐渡郡相川町,佐和田町,金井町,新穂村,畑野町,羽茂町,小木町,赤泊村と合併し,佐渡市となる。67.09km2。6148人(2003)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「真野」の意味・わかりやすい解説

真野
まの

新潟県西部,佐渡市南西部の旧町域。佐渡島南部,真野湾に臨む。1951年町制。1955年西三川村の一部と合体。2004年両津市はじめ 1市 6町 2村と合併し,佐渡市となった。佐渡国国府,国分寺の置かれたところで,古代より島の行政,文化の中心地であった。平野部では野菜,果樹を栽培。真野湾総合開発の一環として栽培漁業センターが建設された。中心集落の新町には電機製品,味噌,酒などの醸造工場もある。国指定史跡の佐渡国分寺跡にある瑠璃堂の薬師如来坐像(国指定重要文化財)のほか,下国府遺跡(国指定史跡),佐渡の守護本間氏の檀風城(沢田城)跡,順徳天皇の着船地恋ヶ浦と真野陵や真野宮などがある。区域は小佐渡県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「真野」の意味・わかりやすい解説

真野 (まの)

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