日本歴史地名大系 「匂坂中遺跡」の解説
匂坂中遺跡
さぎさかなかいせき
磐田原台地の西側、微高地上にある旧石器時代から奈良時代に至る遺跡。遺跡地図にはこの遺跡が該当する部分には五つの遺跡が登録されていたため、それらをまとめて匂坂中遺跡群と称していたが、発掘調査の結果、全体をまとめて匂坂中遺跡とよぶようになった。昭和五九年(一九八四)、同六〇年に確認調査、平成元年(一九八九)から同五年に本調査が行われている。調査面積は八万平方メートルを超える。旧石器時代の調査では、広大な調査域に主としてナイフ形石器文化期に属する石器製作跡、調理跡と思われる焼け石の集中(礫群)、作業台と思われる人頭大の石(配石)が累々と出土した。大量に出土した遺物を整理するために、複雑な検討を経て同時期の石器製作跡、礫群、配石が分布する範囲を設定し、この範囲を「エリア」とよんだ。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報