静岡県西部、天竜川下流平野の東側に広がる台地。標高約130メートルの磐田市神増(かんぞ)から南端は磐田市の中心市街地を経て沖積地に移行する。天竜川西岸の三方原台地(みかたはらだいち)と同時期の隆起運動で形成された洪積台地で、台地面はかつての天竜川の扇状地堆積物(たいせきぶつ)の礫(れき)層で覆われる。台地の東側は急崖(きゅうがい)で太田川低地に接する。台地には銚子塚(ちょうしづか)、松林山(しょうりんざん)、稲荷山(いなりやま)などの古墳が分布し、磐田市街地には遠江(とおとうみ)国分寺跡(特別史跡)もある。台地面は小谷が発達して、坂、原、久保、谷などのつく地名がみられるが、乏水性のため開発は遅れた。天竜川下流農業水利事業による農業用灌漑(かんがい)用水の通水によって畑地、茶園面積も拡大している。林地も開かれて住宅団地の造成や、工業用地化も進み、台地南東部には自動車、発動機、ベアリングなどの工業団地もみられる。また、台地の砂礫層が基礎材や盛土用に採取され自然景観の変化が著しい。
[北川光雄]
…いわたがはら,いわたばらともよみ,磐田原台地ともいう。静岡県西部,磐田市北部の台地。…
※「磐田原台地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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