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包有物 ほうゆうぶつ

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岩石学辞典の解説

包有物

enclave: 火成岩に含まれる全ての種類の包有物の総称[Lacroix : 1890, 1893].ラクロアはenclave enallogene, enclave homoeogene, enclave pneumatogene, enclave polygeneの4組の型に分類した[Lacroix : 1893].捕虜岩,撈取物などは同意語.enallogenous inclusionも同じである[Thomson : 1907].(1) enclave enallogene:捕獲岩または外来の岩石の包有物.(2) enclave homoeogene:包んでいる岩石と同じマグマから作られた同源捕獲岩同源包有物.これらはさらに捕獲岩と周囲の岩石との関係から,(a) synmorphesは両者が同じ組織をもつもの.(b) plesiomorphesは両者の組織が僅かに異なるもの.(c) allomorphesは両者の組織が全く異なるもの.捕獲岩と周囲の岩石の組成について,(d) homologuesは両者が似た組成をもつもの,(e) antiloguesは両者が異なった組成をもつもの,と分けられる.包有物は常により塩基性である.(3) enclave pneumatogene : 同源の包有物が非常な深度の場所でマグマの揮発性成分の作用の影響を受けて形成されたもの.その結果,噴出岩や粗粒顕晶質の貫入岩はミアロリティックな空洞に富むようになる.(4) enclave polygene:外来の岩石の破片がマグマと反応して周囲の岩石と類似した岩石になったもの.包有物がマグマの作用か他の型の包有物の揮発性成分で形成されたもの.
これ以外にも各種の包有物の型が分類されている[Didier : 1973].enclave endopolygeneはマグマによって完全に同化され,マグマは部分的に組成が変化したものである.enclave exoplygeneは非常に大きく変化した捕獲岩である.surmicaceeは黒雲母に富む包有物である.フランスでは岩石の中の物質をenclaveといい,個々の結晶の中の物質をinclusionとしている.リードはこの用法を継承して英語でもenclaveを使用している[Read : 1957].
enclosure: 火成岩に含まれる他生(allothigenous)な破片[Powers : 1915].岩石の形成以前に岩石の一部が他の所で形成された場合に,その部分を他生という.
inclusion: 鉱物に取り込まれた気体,液体,ガラス,鉱物などの外来物質の総称.これを英国では火成岩に含まれる岩石や鉱物のenclosureにも拡張して使用した.この中には同源包裹物外来包裹物などが含まれる.inclusion,enclosure,segregatinなどの区別が必要であるが必ずしも明確ではない[Hatch : 1988, Smythe : 1914, Powers : 1915].成因が不明の物質に成因的な意味の語を使用することは不適当なので,英語ではinclusionが最も普通に用いられている.一方フランスでは岩石の中の物質をenclaveといい,個々の結晶の中の物質をinclusionとしている.リードはこの用法を継承して英語でもenclaveを用いている[Read : 1957].日本語訳は様々であり,包裹物,包含物などはすべて同じ意味である.

出典|朝倉書店
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