包絡面(読み)ホウラクメン(英語表記)enveloping surface

デジタル大辞泉 「包絡面」の意味・読み・例文・類語

ほうらく‐めん〔ハウラク‐〕【包絡面】

曲面群のすべてに接して、しかもその接点軌跡となる曲面のこと。例えば、ある直線上に中心をもつ半径a球面の曲面群からなる包絡面は、半径a円柱面になる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「包絡面」の意味・わかりやすい解説

包絡面 (ほうらくめん)
enveloping surface

ある区間の各実数tに対し曲面Stが定められているとする。このとき別の曲面Eがあって,Eの各点Pにおいて,EとあるStとが接しているならば,Eを曲線族{St}の包絡面という。例えば,空間の1直線上に座標が与えられたとき,各実数tに対しStはその直線上の座標tの点を中心とする半径rの球面であるとすれば,包絡面はその直線を軸とし底面の半径がrの直円柱面である(図)。関数Fxyzt)が与えられれば,各tに対しFxyzt)=0で表される曲面Stが定まる。このときF=0,∂F/∂t=0からtを消去して得られるxyzに関する方程式は{St}の包絡面か,またはStの特異点(すなわち∂F/∂x=∂F/∂y=∂F/∂z=0を満たす点)の軌跡を表す。包絡面EStとはそれらの交線Ctで接している。Ctを曲面族{St}の特性曲線という。各St平面で,それらは平行でないときは,特性曲線は直線となり,包絡面はそれを母線とする柱面,錐面,または接線曲面となる。
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