最新 地学事典 「化石海底谷」の解説
かせきかいていこく
化石海底谷
fossil submarine canyon
堆積岩中に残された昔の海底谷。現世海底谷の成因には諸説があるが,海底谷が混濁流の通路であることは広く認められている。海底谷は堆積の場ではなく運搬の場であるから,これが保存される機会は少ない。西八代層群中や掛川層群中のもの,黒滝不整合,千葉県富津市の東日笠層下限面はこの例。東日笠層の場合は谷状侵食面と乱堆積層が広範囲にみられ,谷中堆積物は砂礫層から砂泥互層へと沖合に向かって漸移する。いずれも現世海底谷に比して規模は小さく,海底地すべりの痕跡とみなされるが,一時的にもせよ海底侵食により谷地形が存在したことから化石海底谷と呼ばれる。
執筆者:佐藤 任弘
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

