北狄村（読み）きたえびすむら

日本歴史地名大系

北狄村
きたえびすむら

• 新潟県：佐渡郡
• 相川町
• 北狄村

[現在地名]相川町北狄

海岸沿いで、南は姫津（ひめづ）村、北は戸地（とじ）村。慶長五年（一六〇〇）の検地帳（北狄区有）に「えひす村」とあり、ほぼ二〇町歩に相当する苅高が記載され「垣ノ内」の地名がみえる。名請人の将監・斎藤・左衛門太郎・兵衛三郎らは戦国武士の帰農者とみられる。南端の町立金泉（かないずみ）中学校の校舎の辺りを古く屋敷（やしき）と称し、須恵器も出土。同検地帳の「将監」は検地請のとき中使（名主）を勤めており、当地の北見市左衛門家の先祖という（佐渡相川の歴史）。また「斎藤」は、斎藤万五郎家の先祖で、当地の胎蔵（たいぞう）寺の檀家惣代を勤め、氏神羽黒権現の宮守も同族とみられる斎藤佐次兵衛家が勤めていた（同書）。元禄七年（一六九四）の検地帳（北狄区有）では田六三町四反余・畑二六町九反余で、水田反別は現在の五一町七反を超え、元禄以前に段丘上の水田開発がほぼ終了していた。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」