日本歴史地名大系 「北白川瓦窯跡」の解説
北白川瓦窯跡
きたしらかわがようあと
北白川廃寺の北約一〇〇メートル、東から西へ緩やかに傾斜する丘陵南西斜面に四基が知られ、いずれも階段をもつ形式の登り窯。二基は大正二年(一九一三)の発見時に窯体の大半を破壊されていたが、調査で四基は同構造かつほぼ同規模と推定された。
最も残存状態のよい窯体は燃焼部の天井を除き、焚口から煙出し部まで完存し、全長六・六メートル、最大幅二・一メートルあり、焚口と奥壁に近い部分では、やや幅狭くなる。焚口は七三センチほどの高さで、石を使って組む。焚口から約一・八メートルが燃焼部で、床はわずかにくぼみ、天井までの高さは約一・八メートルである。焼成部には踏み面の奥行約三三センチ、高さ一六センチほどの階段が一四段あり、踏み面には平瓦を敷いてある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報