北野寺
きたのじ
[現在地名]彦根市馬場一丁目
旧彦根城下内舟町の西、中堀の角に位置する。金亀山と号し、真言宗豊山派。本尊聖観音。もと彦根山にあったが、彦根城の築城のため慶長八年(一六〇三)に石ヶ崎町に移された。その前身は観音信仰で平安時代から都人にも知られた彦根寺とされ、境内行者堂には「江州彦根寺、応永十七年」の墨書銘のある役行者木像を安置する。井伊家移封の頃はかなり衰退していたらしい。井伊直孝は上野国北野寺(現群馬県安中市)の慶算の意見に従い、長谷寺(現奈良県桜井市)の小池坊秀算を彦根寺の住持に招き、北野寺と改号、井伊家の祈願寺とした。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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