朝日日本歴史人物事典 「北風六右衛門」の解説
北風六右衛門
生年:生年不詳
江戸中期の豪商。幼名弥四郎,貞利と称した。兵庫津の豪商北風家の出自は,南北朝動乱のとき南朝方として地侍的活躍をしたと伝えられ,のち2家に分かれ,兵庫にあってともに諸問屋となった。宗家は六右衛門家を,嫡家は荘右衛門家を踏襲した。六右衛門家は元禄6(1693)年ごろ名主を勤め,安永9(1780)年には諸問屋年寄となっているが,このときの六右衛門が貞利で,西宮辰主計義重の次男を養子として迎えた。しかし問屋業は不振で顧客も荘右衛門家に譲り,酢醸造のみを家業とし,寛政年間(1789~1801)に衰退,一族協議のうえ荘右衛門貞幹の孫(貞章)を養子とし再興したが,明治になって没落した。
(柚木学)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報