日本大百科全書(ニッポニカ) 「医方問余」の意味・わかりやすい解説 医方問余いほうもんよ 医書。江戸初期の医家、名古屋玄医(なごやげんい)が1679年(延宝7)に著した。日本における古医方派の始祖として、張仲景(ちょうちゅうけい)の『傷寒論』『金匱要略(きんきようりゃく)』の説を敷衍(ふえん)し、種々の疾病治療の基礎と実際を記している。版本にはならなかったらしく、今日幾種類もの写本によって伝えられるが、その巻数、冊数はかなりまちまちである。眼科、外科、小児科、婦人科の各分野の専書もある。[小曽戸洋] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例