十喩(読み)じゅうゆ

精選版 日本国語大辞典 「十喩」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ゆジフ‥【十喩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。諸々事象は縁によって生じるものであり、実体を持つものではないことを表わす一〇種のたとえ。「大日経」に見える。幻、陽炎、夢、影、乾闥婆城、響、水月、浮泡、虚空華、旋火輪の十喩とする。
    1. [初出の実例]「此是十喩詩、修行者之明鏡、求仏人之舟筏」(出典:性霊集‐一〇(1079)十喩詩十首并序)
  3. (くう)を表わす一〇種のたとえ。身体が実体のない仮のものであることをいう。「維摩経方便品」に見える。聚沫、泡、炎、芭蕉、幻、夢、影、響、浮雲、雷の十喩とする。
    1. [初出の実例]「維摩経十喩 この身はあつまれる蟻のごとし うきながら身には譬へん水の泡のためしにとしはきえぬべきかな」(出典:類従本赤染衛門集(11C中))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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