千世氏庄(読み)ちようじのしよう

日本歴史地名大系 「千世氏庄」の解説

千世氏庄
ちようじのしよう

浄金剛院じようこんごういん領、のち尾張国衙領。旧中島郡・丹羽郡・愛知郡・葉栗郡の条里施行地帯に分布する田地およびその周辺に開発された畑地からなる。

弘安五年(一二八二)七月付千世氏荘坪付注進状案(醍醐寺文書)に「右件田畠者、依国衙一円御進止之地、為被庄号于浄金剛院御領」とあり、それまで「国衙一円進止之地」と称される国衙領であったが、後嵯峨上皇造営になる京都亀山殿の別院浄金剛院領となり、千世氏庄とされた。この注進状の作成者右兵衛尉藤原某以下五名は、在庁官人であろう。

右の坪付注進状案によれば、当庄は田地一〇一町五反六〇歩・畑地二二二町八反で、尾張の荘園では群を抜く規模をもち、しかも畑地が三分の二を占めている点が注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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