南広瀬村(読み)みなみひろせむら

日本歴史地名大系 「南広瀬村」の解説

南広瀬村
みなみひろせむら

[現在地名]八木町字南広瀬

大堰おおい川がいったん東に方向を変え、また南東に流れる湾曲部に抱かれた、平坦部のみの村。大堰川対岸北広瀬村、西は大藪おおやぶ村、南は八木村に接する。亀山藩領。

「丹波志桑船記」に「広瀬村、当村往古ハ川ヨリ西ニ在リシカ、応永年中高水ニテ、村内ヘ川切レ抜ケシヨリ、村ハ川ノ左右ニ分レ、其後寛永年中ニ南北二箇村ニ分レタリ」とあって、川の右(西)になったほうを南広瀬村としている。ただし文中の「川ヨリ西」は「川ヨリ東」の誤記と考えられる。また川東の西田にしだ村にある住吉すみよし神社の祭礼に関する古伝にも、八木鹿草やぎかのくさへ神幸があったが、応永年間(一三九四―一四二八)の大洪水で流路が変わったため沙汰やみになったとある。現在川の西に鹿草の小字名があり、応永年間の洪水は他に徴すべきものはないが、河道の移動があったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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