南泉院跡（読み）なんせんいんあと

日本歴史地名大系

南泉院跡
なんせんいんあと

• 鹿児島県：鹿児島市
• 鹿児島城下
• 下方限
• 山下町
• 南泉院跡

[現在地名]鹿児島市照国町

鹿児島城（鶴丸城）の南側に所在した寺院。現在寺跡には照国（てるくに）神社が鎮座し、社前に南泉院馬場（通称ナンシンバア）と刻んだ石碑が建つ。大雄山仏日寺と号し、天台宗。本尊は薬師如来。江戸寛永寺末。鹿児島城に祀られた東照宮の別当寺で、徳川歴代将軍の位牌も安置した。島津光久が鹿児島藩主のとき東照宮を鹿児島城の北に建立し、かつて天台宗の巨刹であった鶴田（つるだ）郷の大願（だいがん）寺（現鶴田町）を移し、別当寺とした（三国名勝図会）。しかし東照宮・当寺とも規模が小さかったため、宝永七年（一七一〇）藩主島津吉貴のとき持高二〇〇石以上の武士に命じて人足を出させ、東照宮および当寺を再興した。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」