国指定史跡ガイド 「南禅院庭園」の解説
なんぜんいんていえん【南禅院庭園】
京都府京都市左京区南禅寺福地町にある庭園。南禅院は南禅寺の塔頭(たっちゅう)で、大文字山に続く小山の西南麓にある。1287年(弘安10)に亀山上皇の離宮が造営されたところで、再三火災にあっているが、鎌倉時代末の庭園の趣が歴然としていることなどから、1923年(大正12)に国の史跡および名勝に指定された。周囲を深い樹林で包まれた池泉回遊式庭園には2つの池があり、上池は曹源池と呼ばれて竜の形をかたどり、中島は岩盤の露頭をそのまま利用した蓬莱島で、下池には心字島が造られている。上皇が好んだ吉野の桜、難波の葦、竜田の楓、住吉の松が移植されたといわれる。JR東海道新幹線ほか京都駅から市バス「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約10分。